SUPER GT 第1戦 岡山国際
4月5日 予選2位
4月6日 決勝1位
グッドスマイル 初音ミク Z4、SUPER GT開幕戦岡山で優勝!
■2014年モデルのBMW Z4 GT3が絶好調の予選
4月5日。ついにSUPER GT 2014シーズンが開幕した。
予選日は気温が低く、雪の予報も出ていたほどだったが、予選1回目が始まる頃には晴れ渡り、ドライコンディションでアタックすることになった。
予選1回目(Q1)のアタックを担当するのは谷口信輝選手。新車であるBMW Z4 GT3 MY14は3月23~24日の合同テストで乗っただけだが、かなりの好感触だとコメントしていた。わずか数周でベストタイム「1’27.077」を刻み、暫定1位に踊り出る。しかし、#7 Studie BMW Z4がこのタイムを上回り、2位で予選1回目を通過した。
予選2回目(Q2)は片岡龍也選手が担当。谷口選手を上回る「1’26.869」を叩き出したが、#31 OGT Panasonic PRIUSがコンマ数秒上回り、総合2位で終えた。これにより、決勝のスターティンググリッドは2番手、フロントローが決定した。
■混乱に巻き込まれにくい2番手スタートで迎えた決勝
迎えた4月6日、決勝日。フリー走行時は雨が降っており、主催者からウェット宣言が出された。サーキットサファリ、ピットウォークといったイベントを挟んで、決勝レースが始まる。
もうこの頃にはすっかり快晴で、かなりの肌寒さだったが、ドライコンディションでレースがスタートすることになった。スタートドライバーを務めるのは片岡選手。
今シーズンから、GT500 マシンのブレーキを温めるため、2周になったフォーメーションラップだが急遽3周になり、約2時間のレースがスタートした。GT500に遅れてローリングスタート。ポールポジションの#31 OGT Panasonic PRIUSに1コーナーで並び、なんとコーナーが終わったところで抜いて1位に踊り出る。2位になった#31はミクZ4を猛追し、コンマ0秒の差がしばらく続く。
なかなか2位との差が広がらず、そのまま15周を過ぎたところでレースが動く。なんと突然雹混じりの雨が降ってきたのである。全車、レインに変えるべきか否か悩みつつも、スリックタイヤで濡れた路面を走る。そんな中、水を得た魚のように追い上げてきたのが、#11 GAINER DIXCEL SLSである。あっという間に#31をパス。ミクZ4の背後についたと思うと、20周目にはトップに立っていた。
レースはまだまだ動く。23周目に#31がトラブルでストップ、そのままリタイヤとなった。#11、ミクZ4、#7 Studie BMW Z4の3台がしのぎを削る中、30周を過ぎた頃にトップを走っていた#11がまさかのタイヤバーストで大きく後退する。ここからミクZ4、#7というBMW Z4のワンツー体制になった。
■Z4同士の戦いは僅差でGSRに軍配!
その後、40周目にミクZ4はピットイン。片岡選手から谷口選手にドライバー交代するとともに、タイヤ交換をする。このとき、ピット作業でのタイムロスを最小限に留めるため、交換したのは左側の2輪のみだった。このピットタイミングで、#7に抜かれたものの、#7のピットインで再び逆転。1位の座を不動のものにした。
レースはそのまま後半戦に突入。気がつけば2位の#7には10秒近いリードを築いていた。しかし、60周目を過ぎた頃、ヨルグ・ミューラー選手がドライブする#7に徐々に差を詰められ始める。かなりタイヤが厳しくなっていたようで、70周目にはもはやその差は1秒程度になっていた。
だが、谷口選手はそのまま1位を守り切り、「0.329」の差でゴール。なんと、BMW Z4のワンツーフィニッシュが早くも開幕戦で実現した。なお、3位以下はすべて周回遅れという圧倒的な勝利だった。
次戦、富士スピードウェイはゴールデンウィークまっただ中の5月3~4日に開催される。
■関係者コメント
新しいチームになって、初エントリーで優勝できたのはとても誇らしいです。右京さんも監督初優勝でしたし。タイヤも事前のチョイスが良かったですし、クルマの進化もあったし、後押しされるカタチでポジションが取れたかと思います。とはいえ、運に助けられた部分もあったので、次戦の富士が各車の真価を発揮してくるのではないでしょうか。2011年のときのような「これはいけるんじゃないか?」という過度の期待はまだできませんね。年間を通じて良いレースができるんだなという反面、まったく気が抜けないというのもわかりましたね。
優勝は予想してた通りではあるんですけど、こんなに寿命が縮まりそうなレースになるとは思いませんでした。エベレスト行く前に心臓に悪かったですね。でも、こんなレースが今年1年間続くんでしょうね。ライバルの脱落などもありましたが、なかなかペースが上げられなかった部分もあり、開幕戦優勝はもちろんうれしいんですが、もう少し考え直さないといけないところがありますね。
今日の優勝は、絶対的に速かったというよりは運に助けられた部分も多かったと思います。特に#7のヨルグ選手の走りは今後の脅威になってくる気がしました。取れるときに取っておくのは大事なことで、開幕戦から優勝できたというのは非常にいい結果だと思いますが、ライバルも明確になったので、これからはそのへんも意識して戦わないといけませんね。
片岡選手が前半で素晴らしい仕事をしてくれて、一番大変なパートを完璧にこなしてくれました。おかげで1位でピットに戻ってきてくれて、タイヤを左側のみの交換にして、あとは逃げ切るだけだったんだけど、思いのほかタイヤが苦しくて、かなり追い詰められてしまいましたが、後ろとのギャップやラップタイムから計算した結果、これは勝てるぞ、と。なので、慌てず騒がずミスせず、ゴールまでクルマを運ぶことに徹しました。いきなり優勝という幸先のいいスタートが切れてよかったです。
最初の1コーナーは狙ってたんですけど、その後、もっと後ろを引き離すつもりが、なかなか思ったようにペースが上がらず、途中で雹混じりの雨が降ってきたときには、かなりペースダウンしてしまいました。途中で#11にパスされてしまって。しかし、あの状況ではタイヤと路面がマッチしなかったので、虎視眈々とスキを狙っていました。思ったより#11もペースがあがらないようで、つかず離れずの距離を保っていたら、トラブルで後退してしまいましたね。その後は#7との戦いでしたが、なんとか差を広げたままピットインできました。今年は2014年モデルの調子がいいですし、勝てるときに勝つというのは王座奪還に向けて弾みがついたと思います。