SUPER GT 第3戦 オートポリス
5月31日 予選15位
6月1日 決勝16位
グッドスマイル 初音ミク Z4、第3戦は痛恨のノーポイント!
■昨年勝ったサーキットで再び勝利を目指す
5月31日。SUPER GT 第3戦 オートポリス(大分)の予選が開催された。例年だと秋に開催されていたが、この時期に変更されたことで、オートポリスでは近年稀に見る快晴で、気温は30度、路面温度は50度を記録していたほどだった。昨年はこのサーキットで優勝し、初音ミクGTプロジェクト史上初の2連勝を達成しただけに否が応でも期待が高まる。
グッドスマイル 初音ミク Z4は、2連勝によってウェイトハンデが80kgにもなっており、レース直前で変更になったBoP分10kgも加わって、想像を絶する負荷がマシンにかかっていた。
予選前の練習走行では、片岡選手が「1’48.607」、谷口選手が「1’47.660」というベストタイムを記録したものの、12位に終わる。約2時間の走行時間で42周を走ったが、タイヤとのマッチングやウェイトハンデの影響などに苦しめられ、ドライバーのふたりもマシンと今ひとつ噛み合わないままだった。
■予選はまさかのQ1敗退……
迎えた予選1回目。ステアリングは片岡選手に託された。ベストタイム「1’47.582」を記録し、なんとか通過圏内に留まったものの、ほかのライバルたちは続々とコースレコードを更新する好タイムを連発し、16位まで順位を落として終了。
残念ながら予選1回目を通過することは叶わなかったが、アクシデントでタイムを抹消されたマシンがあり、繰り上がって15位、決勝は15番グリッドからのスタートになった。
■序盤の追い上げ虚しく
接触に巻き込まれて勝負権喪失
翌日の決勝も天候の心配がまったくないほどの晴天に恵まれた。朝のフリー走行では、マシンもタイヤも悪くないがなかなかタイムがあがらなかったが、スタート直前のウォームアップでようやくドライバーからポジティブなコメントが得られた。
スタートドライバーを担当するのは片岡選手。この時点での気温は28度、路面温度は43度。ローリングスタートでは#31 apr プリウスが動けなくなったため順位があがり、さらに1周目で12位までジャンプアップ。3周目には11位まで上がってきていた。
悪夢は9周目に訪れた。GT500同士の接触に巻き込まれ、左のリアホイールを破損、さらにタイヤはバーストしてしまい、コースの半周をその状態で走らねばならず、緊急ピットインした時点でほぼ周回遅れにされており、はやくも今回の勝負権がなくなってしまったのだった。
最後尾になってしまったグッドスマイル 初音ミク Z4だが、コンスタントにラップタイム47秒台を刻み、徐々に追い上げていき、周りのピットインもあって16位にまで這い上がってきていた。そして31周目にルーチンのピットイン。タイヤとドライバーを交代してピットアウトする。アウトラップでは21位まで落ちたが、谷口選手の懸命な走りにより順位をあげ、18位になっていた。
■不運が重なり、勝利を取り逃がす
だが、42周目に衝撃的なアクシデントが発生する。#30 IWASAKI apr GT-Rがブレーキトラブルで1コーナーでコースアウト。タイヤバリアとガードレースを突き抜けるほどの大クラッシュが起きてしまった。このあと、GT500のマシンもエンジンから白煙があがり、コースサイドにストップ。当然ながら赤旗が出てセーフティーカーが投入された。クラッシュしたマシンの回収に時間がかかってしまい、なんと7周ものセーフティーカーランが行なわれた。グッドスマイル 初音ミク Z4はセーフティーカーが入った場所が悪く、ギャップを詰めるどころか1周遅れになってしまい、残り周回数は10周ほどだったので、ポイント圏内という希望も崩れ去った。
49周目にセーフティーカーがアウト。レースが再開されたものの、目の前を走る#7 Studie BMW Z4とのバトルの途中で、またもやGT500のマシンに接触され、もはや万事休す。レース終盤に#9 国立音ノ木坂学院NACポルシェwith DRがスピンしたため順位がひとつあがり、最終的に16位でゴールしたのだった。
2連勝していたとはいえ、ノーポイントという最悪の結果に終わってしまった第3戦 オートポリス。現在、40ポイントでポイントリーダー座を死守しているが、2位の#11 GAINER DIXCEL SLSは37ポイントとわずか3ポイント差まで迫ってきている。次戦、スポーツランドSUGOでは全力で巻き返しを図る。
■関係者コメント
ラップタイムは悪くなかったので、予選順位の問題もありますけどやっぱりあの事故ですね。そのあとのセーフティーカーも入るタイミングが悪くて。しかも、終盤にまたぶつけられてちゃって。とにかく運がなかったです。次のSUGOは事前の準備がいろいろと必要になると思うので、これから準備に入ります!
残念無念です。決勝では、全体的に見るとペースを取り戻してたし作戦もしっかりしてたから、最低限の失点に抑えられたはずだったんですけど、ぶつけられてホイールが割れてしまって、それがすべてですね。これでピットに入ることになって周回遅れになったうえにセーフティーカーで悪い位置に入っちゃうという、なにもかも裏目に出ちゃった気がします。本来であれば、セーフティーカーでギャップを詰めることもできたんですが。ただ、今回いろいろ試してみたら、良いところもたくさん見つかったので、今後は絶対に巻き返す!とチーム全員が誓っております。
今回は全体的に流れが悪いレースでした。タイヤのチョイスなのかウェイトなのかわかりませんが、なんとなく疑心暗鬼のまま走り出して、最終的に悪い流れを自分たちで引き入れてしまった部分もありましたね。取りこぼしをできるだけしないにこしたことはないのですが、次は今回の流れをリセットして挑めば、チャンピオンの可能性は高いと思います。
出口がまったく見えないくらい、流れのない、運のないレースだったと思います。片岡選手のもらい事故も運がなかったですし、僕に変わって1点でも取ろうと頑張ってみたものの、セーフティーカーで1周遅れになってしまう位置になってしまったし。神様から1点もあげませんと言われているような週末でした。クルマもノーポイントで終わるようなポテンシャルではなかったですし、あの予選の位置からでも5位くらいはいけたんじゃないでしょうか。今回は本当にどうにもならないレースでした。
GT500同士の争いに巻き込まれてしまいましたね。そこで接触されてホイールが割れて、完全に勝負権がなくなりました。ボディーの前から後ろまでぶつかってて、ホイールが割れたのでタイヤもバーストして、その状態で半周を走るハメになったんです。普通に走っていれば結構良いレースができたと思います。セーフティーカーのタイミングも悪かったけど、そもそも当たらなかったら、あの位置にいないわけで。巻き込まれてしまった悪運がすべてですね……。