SUPER GT 第5戦 富士スピードウェイ(静岡)
8月9日 予選7位
8月10日 決勝4位
グッドスマイル 初音ミク Z4、第5戦は4位チェッカー!
■台風が心配された予選日はドライで走行
第3戦、第4戦とノーポイントに終わってしまったGOODSMILE RACING & TeamUKYO。この第5戦は絶対に落とせない。とはいえ、大型の台風が接近中でレース自体の開催も危ぶまれていた。
しかし、予選日はピットウォーク中に短時間大雨が降ったが、その後は路面が乾くまで持ち直し、ドライで予選をアタックすることになった。予選1回目を担当したのは片岡選手。朝の練習走行からセッティングに苦しめられたものの、「1’39.326」を記録し10番手で突破する。
続く予選2回目は谷口選手がアタック。「1.39.293」をすぐに叩き出し、暫定トップに躍り出た。途中から雨が降ってきたので、このままトップで逃げ切れるかと思いきや、それほど雨脚は強まらず、上位陣が徐々にタイムを上げてきて、最終的に7位で終わった。決勝は7番グリッドからのスタートになる。
■暴風雨の中の決勝レースが始まる!
10日、決勝レース。朝から強い雨が降ったり止んだりという酷い天候で、これには関係者も観客も悩まされた。朝の練習走行は雨量がひどいため数ラップ走っただけで赤旗終了。サーキットサファリもマシンが数台走ったものの、これまた赤旗で終了という珍しいケースになった。
天候が持ち直したお昼のピットウォークでは、通常のドライバーサイン会のほか、現役F1ドライバーでGOODSMILE RACING & TeamUKYOのスペシャルサポーターを務める小林可夢偉選手がサプライズで登場、片山右京、谷口信輝、片岡龍也、そして小林可夢偉という超豪華なサイン会が実現した。可夢偉選手はその後、GOODSMILE RACING & TeamUKYOのパドックスイートで焼きそばをレース関係者にふるまっていた。
レース直前のウォームアップ走行は、雨量の増加で開始10分ほどで赤旗終了するも、レースは定刻通りスタート。だたし、セーフティーカー(SC)が先頭を走るSCスタートになった。
■大混戦の中、順位をキープしつつ走る
スタートを担当するのは片岡選手。7番手スタートながらも序盤から抜きつ抜かれつの激しいバトルの繰り返しで、6~7位をいったりきたりしていた。
レース開始から9周目。再び雨脚が強くなりSCが導入された。そのままSCランは15周目まで続き、ついにホームストレートにマシンを整列してストップさせることになった。このときピットインは禁止だが、ドライバーの昇降、シートベルト脱着の補助、無線の装着、ドリンクやクールスーツの設置、日よけの設置など、メカニックの介入が許可された。エンジンに水が入らないようマシンにカバーをかけたり、ドライバーが降りてきて休憩したりと、これまでのレースではなかなか見れない光景だった。
16時15分にSCランによりレースは再開。2周ほどでSCランはピットインし、18周目から本格的にスタートした。このラップで2台を連続で抜いて5位にアップするも、すぐに抜き返され6位にダウン。その後、順位をキープしたまま32周目にピットイン。タイヤを浅溝(インターミディエート)に交換し、谷口選手がステアリングを握り出発!
■80kgのハンデ、悪天候の中、無傷で4位獲得!
アウトラップで14位までダウンしたものの、徐々に順位を上げていく谷口選手。雨は止み、コース上はレコードラインが乾きつつあった。ここでスリックに交換しギャンブルするチームもあったが、GSRはそのまま走行。43周目にはなんと4位まで浮上していた。
だが、ここから膠着状態に入る。1位を独走する#61 BRZは別格として、2位の#11 GAINER DIXCEL SLS、3位の#86 クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3、そしてグッドスマイル 初音ミク Z4の3台はほぼ同じペースで走っており、まったく差が縮まらない。むしろ5位以下の追い上げから逃げ切れるかどうかになった。
そしてレース終盤に天気が荒れる。残り10周を切った段階で再び豪雨となりSCランになった。このとき、スリックタイヤを履いていたマシンは隊列に追いつけないためなかなか整列できず、雨脚も弱まらなかったため、結局SCランでチェッカーになった。
この結果からミクZ4は4位になり、8ポイントを獲得した。#11が2位に入ったため、ポイントランキングは逆転されてしまった。#11が52ポイント、ミクZ4は48ポイント、そして今回優勝した#61が35ポイントで3位に上昇した。残り3戦を残して4ポイントのビハインドは、まだチャンピオンの可能性は十分ある。次戦鈴鹿1000kmで大量ポイントを獲得して、王座奪還に弾みをつけたいところだ。
まずはレースが無事に開催されてよかったです。観戦していた方も大変でしたね。レース展開も赤旗やSCも多かったけど、かなり熱かったです。とくにSC後の片岡選手はキメましたね。これまではドライのテストが多かったので、上位のライバルに比べてウェットのセッティングが詰めきれてなかったのが、今回の差だと思います。ピットインのタイミングは悪くなかったと思いますが、あと1~2周早かったら#86の前に出られたかもしれませんね。とにかく今回は#61と#11の速さが際立っていたので、次の鈴鹿ではなんとしてでも前に出たいです。とくに#61に2連勝されると厳しいですからね。
予選日にドライバーがセットアップに苦しんでいたので、それがベースのセットアップに影響しないかどうかという心配はありました。しかし、決勝レースではあの雨の中を無傷で走りきって4位というのは、やっぱ谷口選手も片岡選手もすごいなあと思いましたね。2人とも飄々としているので、よく知らない人はもっと上に行けたんじゃないかとか思ってしまうかもしれませんが、80kgのウェイトハンデを積んで、暴風雨の中をアクシデントなく、上位陣と変わらないタイムで走って、しかも4位で帰って来たというのは、とんでもないことですよ。ここ2戦がノーポイントで、SUGOなんか裏目裏目で悪い流れになっていたので、次の鈴鹿に向けて流れが変わっていくといいですね。
今日のレースは4位でしたが、強いて言えばピットインのタイミングはもうちょっと早くてもよかったかと思いましたが、#86のラップタイムが若干こちらより速かったのもあって、前を走っていてももしかしたら抜かれていたかもしれないし、#11のタイヤのマッチングが良かったということもあり、できることはすべてやった上での4位なので、今回はベストリザルトだったと思います。
台風が来ると言われていましたけど、フタをあけてみたらレースはできましたね。決勝では片岡選手が頑張ってくれて、6位でピットに帰ってきてくれた。その後、チームの判断でインターミディエートにタイヤを変更したけど、それがうまくハマッて。おかげでどんどん順位を上げられて、結果的に4位で帰ってこれたのはまあまあだったかなと思います。もっとバクチ的なことをしていれば3位はいけたかもしれないけど、そこはかなり判断が難しいところなので仕方ないですね。今回は90点くらいのレースができたんじゃないでしょうか。#11に先に行かれたのは悔しいですが、今回はあちらのほうが上手でしたね。まだまだ射程距離なので、4位で終われてよかったです。
最初に赤旗が出る前は、正直運任せで走ってた部分もあるので、コースアウトしなくてよかったなと。水が少ないウェットだったりドライが出てくるインターだったり、決して良いコンディションではなくて苦しい中でしたが、自分たちのやれることをやって4位でゴールできたというのはいい結果じゃないでしょうか。#11に関してはタイヤの問題もあると思いますが、それは逆のパターンもあるということだし、チャンピオンシップに関しては悲観していませんね。