SUPER GT 第6戦 鈴鹿サーキット(三重)
8月30日 予選17位
8月31日 決勝5位
伝統の鈴鹿1000kmは5位入賞でランキングトップを奪還!
■8月30日 鈴鹿予選1回目
SUPER GTの中でも最長距離を走る第6戦 インターナショナル 鈴鹿1000km。鈴鹿の1000kmレースといえば、もう40年以上の歴史を誇る夏の一大イベント。ここ数年はSUPER GTのレースとして行なわれている。
8月30日の予選日は、1回目を谷口選手が担当した。96kgのウェイトハンデに加え、直前でBoPの性能調整20kgが追加されて100kg以上重くなったグッドスマイル 初音ミク Z4。この影響は大きくタイムに現れていた。
谷口選手は極限までタイムを削り取り「2‘01.483」を記録したが、上位陣はほとんど0秒台で争っており、最終的に17位で予選が終わってしまった。13位以内に残れなかったため、予選はここで終了。グリッドは17番手からとなった。なお、昨年の鈴鹿も予選17位、17番グリッドからのスタートだった。
■8月31日 鈴鹿決勝レース
迎えた決勝レース。開催時期が8月最後に移ったためか気温は上がらず、タイヤや戦略などに大きく影響しそうだ。また、ほかのチームは第3ドライバーを用意しているが、GOODSMILE RACING & TeamUKYOは谷口選手と片岡選手のみで戦う。
スタートドライバーは片岡選手。GT300クラスで約160周のロングバトルが始まった。序盤の混乱で1周目に19位までダウンするが、5周目には18位にアップ。その後、前を走る21号車(Audi R8 LMS ultra)がなかなか抜けずにバトルは16周目までもつれ込む。16周目に他チームがピットインしたこともあり、17位、16位と徐々に順位を上げていく。
■我慢のレースをミス、トラブルなく5位で完走!
ミクZ4も22周目に最初のピットイン。タイヤ交換とドライバー交代を済ませ、谷口選手がステアリングを握って出発。アウトラップでは24位と最下位までダウンしたものの、まだ一度もピットインを済ませていないチームが続々とピットに入ったため、32周目には15位に浮上していた。しかし、前を走る86号車(クリスタルクロコ ランボルギーニ GT3)がなかなか抜けず、コーナーで追いつくも立ち上がりの加速に勝る86号車に引き離されるという展開が続く。
86号車とのバトルは終わらず、41周目には12位まで上昇したものの、やはり86号車は抜けない。我慢の展開が続くが、なんとか8位までアップ。だが、後ろから来たマシンに立て続けに抜かれてしまい、10位にダウンしたところで56周目に2回目のピットイン。再び片岡選手が出撃する。
ここからジワジワと上位に食い込んでいく。65周目に10位、75周目に6位まで上がり、その後は9位にダウンするも、順位を守って淡々と走る。90周目に3回目のピットインを敢行し、谷口選手が再度コースに戻る。
アウトラップで13位まで落ちたものの、106周目には5位にまで上がっていた。だが今度は65号車(LEON SLS)が立ちはだかる。ペースがほぼ同じなため、差を詰めることができない。もうひとつ上に行きたいところだが、苦しい展開になってしまう。しかしなんと、65号車はトラブルが発生してリタイヤしてしまう。
この時点で前を走るのは7号車(Studie Z4)だったが、すでに1分以上の差が開いており、残り周回数やラップタイムを見ても、逆転は苦しい。ウェイトの差なのか、むしろどんどん差を広げられていく。ミクZ4は125周目に最後のピットイン。ここで最後のステアリングを片岡選手に託す。
アウトラップで落ちた順位を徐々に取り戻していき、133周目には5位に戻ってきていた。レース終盤、それまで2位を快走していた55号車(ARTA CR-Z)が、突如スローダウンしそのままピットに入ってしまった。これで4位に上がったものの、ミクZ4より3秒近く速いタイムで走っていた10号車(GAINER Rn-SPORTS SLS)に追いつかれ、そのまま抜かれて5位にダウン。
最終的に5位でレースは終了し、ミクZ4は8ポイントを獲得。11号車(GAINER DIXCEL SLS)が10位に沈んだこともあり、ポイントランキング首位を取り戻した。現在ミクZ4は56P、11号車は54Pと僅差ではあるが、残り2戦を前にランキングトップは大きな意味合いを持つ。次戦は初開催となる、タイ・ブリーラムサーキット。どのチームもデータを持たないだけにチーム力が問われそうだ。
2ポイント差ではありますが、なんとかランキングトップに戻ってきました。この位置にいるということは、周りに対するプレッシャーにもなりますし、こちらが主導権を握れるという意味でも重要だと思います。レースの内容を振り返ると、ミスもなく最後まで無事に走れてよかったなと。このウェイトハンデを考えたら、1000kmの距離を走りきったのはさすがとしか言いようがありません。アンダーカット作戦がちょっと機能しなかった部分もありましたが、予選17位から5位まで上り詰めたのは、このチームの強さだと思います。
結果から言うと、ポイントリーダーに戻ったから良しとしなきゃいけないんでしょうけど、チャンピオンシップを争っているライバルたちのペースが上がらなかったことに助けられた部分はあります。重さなのか、セッティングなのか、これまで開発してきた方向性なのか、この辺はもっと話し合わないといけませんね。今、ランキングトップにいることは間違いなく有利ですけど、ちょっとのキッカケでひっくり返る危うさもありますから。この先、ウェイトも減って速さを取り戻すとは思いますけど、2位との差も僅差ですし、絶対にミスが許されないというプレッシャーも感じています。
ポイントリーダーを取り戻せたことが非常に大きいです。長いレースだったのでいろいろなことがあり、ドライバーも関係者も思うところがあるかもしれませんが、ちゃんと最後まで走り切れて目標が達成できたのは、素直に喜べることだと思います。次に向けて、良いステップになりました。
昨年も予選17位からだったけど、今年はウェイトが全然違ったのでとても苦しいレースでした。決して我々はいいペースで走れていたわけではありませんが、しぶとく粘ったおかげで5位で終われたのは良かったと思います。あと、11号車が10位だったおかげでランキング首位に戻れましたしね。レース内容はとっても厳しいもので、一言でいうと“ジリ貧”でした。ランキングはトップになりましたが、残り2戦はまだまだ苦しいと思います。次戦タイは誰も何もわからない未知のレースになると思うので、良い結果で終わりたいですね。
今回、ウェイトを96kg積んでいたわけですが、思っていた通りしんどくて、予選が17位でした。決勝はポイント圏内前半には行けるだろうという予想の中、案の定ペースは上がりませんでしたが、ノーミスでできることをやりきりました。あと、今回は3回乗るつもりでいたので、事前に体を作ってきたおかげで体力的にも精神的にも余裕がありましたが、クルマに余裕がなくて……。全然プッシュできなかったので歯がゆかったんですけど、ほぼパーフェクトに近いレースができたんじゃないかなと。唯一残念だったのが、僕も谷口選手も出だしで引っかかってしまって、大きくタイムロスしたことですね。