2015 AUTOBACS SUPER GT Round 3 BURIRAM SUPER GT RACE
6月20日 予選10位
6月21日 決勝13位
2度目のタイ戦、結果は無念のノーポイント!
■6月20日(土) マシンセッティングに悩んだ予選
前戦富士のレースから約1ヵ月半が空いた、SUPER GT 2015第3戦 タイ・チャーン国際サーキット。昨年の同サーキットでのレースは第7戦として10月に開催されたが、今年はシーズン前半の6月20~21日に設定された。約8ヵ月ぶりとなるタイ戦は、雨季にもかかわらず天候に恵まれ、スコールすら一切ない快晴のレースウィークとなった。
昨年のタイ戦と大きく違うのは、金曜日の練習走行がなくなったことだ。同サーキットのこけら落としだった昨年は、特別に練習走行日が設定されていたが、2度目の開催となる今年は他のレースと同じく、土曜・予選、日曜・決勝というスケジュールに戻された。
20日の朝の練習走行は、タイヤやセッティングなどが噛み合わず、谷口・片岡両選手ともタイムが伸びない。上位陣が1分34~35秒台前半を記録していく中、0号車グッドスマイル 初音ミク SLSは35秒台後半にタイムが留まっていた。最終的に谷口選手が出した「1‘35.775」がベストで、このセッションを15位で終了した。
午後の予選は、気温34度、路面温度45度でスタートしたが、徐々に路面温度が上昇し、最高で60度を超えた。Q1(予選1回目)は練習走行で片岡選手よりも良いタイムを記録していた谷口選手が担当し、練習走行での自身のベストを上回る「1‘35.675」を叩き出す。Q2(予選2回目)に進めるのは13位までだが、谷口選手は12位に残り、Q2進出を決めた。
Q2を託された片岡選手はセッティングに不安の残るコンディションの中、Q1での谷口選手のタイムを更に上回る「1‘35.566」を記録する。しかし路面温度の上昇に伴って他のマシンも続々とタイムを更新し、トップのマシンはなんと33秒台という驚異的なタイムを叩き出した。このような中、片岡選手のタイムは10番手となり、決勝レースは10番グリッドからのスタートとなった。
■6月21日(日) 決勝レース後半で痛恨のバースト
21日(日)。決勝日の朝は気温も路面温度も低く、午前中のフリー走行ではタイムがなかなか伸びない。ベストタイムは片岡選手の「1‘36.439」。35秒台に届かないままセッションを17番手で終了する。
このセッションでトップタイムを記録したのはワイルドカード参戦(章典外)の地元タイのチーム、28号車REITER GALLARDO。なんと「1’32.960」という2位以下を1.5秒も離したダントツのタイムをマークしていた。
サーキットサファリやピットウォークといったおなじみのイベントを挟み、現地時間午後3時、ついに決勝レースがスタートする。最初にステアリングを握るのは片岡選手。路面温度が65度にもなる灼熱のレースはローリングスタートで幕を開けた。
序盤の混乱が得意な片岡選手は1周目、2台をオーバーテイクして8位に順位を上げてホームストレートに戻ってくる。ここからレースは徐々に1~3位グループ、そして4~9位グループの塊に分かれていき、そのまま膠着する。
レースが動いたのは19周目。このラップで片岡選手は、前を走っていた7号車Studie BMW Z4をかわして7位に、22周目には31号車TOYOTA PRIUS apr GTもオーバーテイクして6位に浮上する。その後、先行する他チームのピットインにより4位まで順位を上げた。
決勝朝までの苦戦が嘘のような快走を見せる片岡選手は、26周目に61号車SUBARU BRZ R&D SPORTに抜かれた後、27周目にピットインする。
もともとタイヤ無交換作戦を視野に入れていたが、チームは片岡選手の走りの様子とピットイン時のタイヤの状態からタイヤ無交換作戦は実行可能と判断、ピットインによるタイムロスを最小限にして、谷口選手にバトンを渡しコースに送り出す。
谷口選手はアウトラップで一時的に10位まで順位を落とすものの、片岡選手の快走を引き継ぎ、再び順位を回復させていく。
そして40周目、谷口選手が順調にラップを重ねている中、このレースの命運を決する大波乱が0号車を襲った。左のリアタイヤが突然バーストし、緊急ピットインを余儀なくされてしまったのだ。
谷口選手はバーストしたタイヤを引きずり懸命にピットに戻るも、タイヤ交換を済ませてコースに戻った時には18位まで順位を落としていた。この時点で残り周回数は20周を切っており挽回は至難。4本のタイヤをすべて交換した谷口選手は、練習走行や予選よりも速いペースで走行して13位まで順位を戻すが、残念ながらそこでレースは終了した。
2戦連続5位のあとは、痛恨のノーポイントを喫してしまったGOODSMILE RACING & TeamUKYO。次戦は国内に戻り、8月8~9日に富士スピードウェイで開催される。もうここからは1ポイントたりとも落とせない。
■関係者コメント
タイヤのセットが合わないという状態が予選から決勝の朝まで続いて、非常に苦しんだわりには決勝レースの1stスティントが良くて大変盛り上がりましたね。タイヤ無交換で表彰台を狙おうという作戦は間違ってなかったと思います。結果的には残念だったけど、決勝前にクルマをまとめてくれたメカニックとそれを乗りこなしたドライバーはさすがでした。
そういう意味では納得のレースではあったんですけど、タイヤメイキングでまだ苦戦していて、結果がなかなか伴わないですね。今回でようやくマシンセッティングやブレーキなどが揃いはじめてきたので、富士戦からは必ず巻き返していきます。応援よろしくお願いします。
レースをやっていると時として理不尽なことが起こるけど、今回がまさにそれで、本当に残念でしたね。予選でセッティングが決まらなくてなかなか前に行けなかった中、決勝ではでき得る最上の結果を残せそうだったのに、あとちょっとというところで逃げていってしまった。バーストがなければ4~5位にはなれたと思います。でも、こういうことが起きるのがレースですからね。
今回みたいなことが起きたら普通は気持ちが沈んじゃうところですが、このチームは常にポジティブ。すぐに頭の中を切り替えて最善を尽くそうとするんです。個人スポンサーさんも遠いところを何人も来てくれたし、日本からネットやライブビューイングでも声援を送ってくれていましたし、こういうチームだからこそ運気を呼び込めると思っているので、富士では期待していてください。
今回はタイヤもセッティングもうまく機能しなくて、後手に回っていました。なので、決勝レースは厳しい展開が予想されましたが、片岡選手の頑張りで悪い予想を覆してくれて。僕も後ろから追われていたので、なんとか逃げ切ってやると気合いを入れて走っていたのですが、不運にもタイヤがバーストして入賞圏外になってしまいました。
まだ今シーズンは歯車が噛み合ってないですが、次回からはきっと噛み合うと思うので、応援よろしくお願いします。
今回は走り始めからタイヤが合わなくて、苦戦を強いられることはなんとなく予想できていました。それでもチーム全員が協力し合って手を尽くした結果、納得いくレベルとは言えないまでも決勝ではライバルたちと勝負がやっとできるレベルにはなりました。10位のスタートから4位まで順位をあげて、タイヤも一発のグリップは不足していましたがロングランに関してはパフォーマンスが非常に安定しており、これなら無交換でも大丈夫だろうと判断したんです。
谷口選手に交代したあとは実質5番手まで上がっていましたが、バーストしてしまい勝負権を失いましたね。チャンピオンシップに向けて、今回みたいなレースはこれで最後にして、これから巻き返していきます。