2015 AUTOBACS SUPER GT Round 7 SUPER GT in KYUSHU 300km
10月31日 予選5位
11月1日 決勝7位
タイヤのピックアップに悩まされたオートポリス戦は7位
■10月31日(土) 予選は不調を覆して5番手を獲得!
昨年はカレンダーの変更で5月末だったオートポリス戦だが、今年は例年よりちょっと遅い10月末の開催になった。2013年は初音ミクGTプロジェクトとして初優勝を果たし、2014年はノーポイントに終わっている。今年はなんとしても上位を狙いたいところだ。
しかし、予選日(土曜)の練習走行からなかなかタイムが上がらない。ミクSLSは1分46秒台を記録したが、上位陣は43秒台とかなり厳しい戦いになることが予想された。
セッティングを大幅に変更して挑んだ14時からの予選。1回目は谷口選手が担当し、すぐに「1’44.937」を刻んでピットイン。ライバル勢も44秒台前半のタイムを記録していたが、9位に留まって予選1回目を通過した。谷口選手はこの日、サーキットサファリしか走行していなかったにもかかわらず、ほぼ一発でタイムを出したのだった。
予選2回目は片岡選手が担当。数ラップでアタックし「1‘44.459」とこの日一番のタイムを叩き出した。この結果5位となり、決勝は5番グリッドからの出発になった。1~4位がJAF-GT勢だったため、FIA-GT3勢ではトップに立っていた。
久々の上位からのスタートに、チームもファンも決勝への期待が高まる。
■11月1日(日) 序盤は表彰台圏内を快走するも……
迎えた決勝日。朝のフリー走行では片岡選手が走行を担当し、決勝レースに向けてのセッティングを出していった。アタックをしていなかったものの、「1’46.599」というタイムで8番手につけた。
心配された雨は降らなかったものの、やや気温が低めで路温も上がらないまま決勝レースに。スタートを担当するのは片岡選手。#31 TOYOTA PRIUS apr GTがマシントラブルでピットスタートとなったため、実質4番手からのスタートで、はやくも表彰台が射程距離になった。
ローリングスタートから1周目で目の前の#61 SUBARU BRZ R&D SPORTを抜き去り、はやくも3位に上昇。しかし、1~2位はどんどん先にいってしまい、じりじりと差を広げられてしまう。その間に背後からは#21 Audi R8 LMS ultraや#61が追いついてきており、厳しい戦いを強いられる。
10周目には一気に7位まで順位を落としてしまうが、その後、徐々に順位を取り戻していき、26周目には2位を走っていた。この浮き沈みは片岡選手によると「タイヤのピックアップ(ゴミ)が剥がれない現象が出た。途中で雨が降ってきたときに左右にウェービングしたら(ピックアップが)取れたので、タイヤ本来のポテンシャルを取り戻せた」とのことだった。
レース中盤から雨が降ったり止んだりの展開だったため、ピットインは引っ張りに引っ張り34周目に。アウトラップこそ11位まで落ち込んだが、どんどん順位を上げていき、表彰台圏内の3位まで回復させていた。
しかし、40周を過ぎたあたりから異変が出始める。ペースが上がらなくなっていき、45周目に抜かれて4位にダウンしたのをきっかけに、どんどん順位を落としてしまう。片岡選手の走行でも発生したピックアップ問題がここでも出てしまったのだった。ラップタイムが最大で7秒も落ちてしまうほどピックアップによる影響は大きく、「クルマが曲がらなくてコース上にいるのも精一杯だった」と谷口選手は語った。
8位まで順位を落としていたが、前を走るライバルが緊急ピットインしたため、7位にアップ。そこからペースを取り戻しつつあったが、すでにレースは終盤だったので、前のクルマを抜くことができず、7位のままチェッカーを受けたのだった。
次戦ツインリンクもてぎは、ついに最終戦。流れが悪かった今シーズンだが、最後は勝って終わるべく、ドライバーもメカニックもモチベーション高く挑む。
■関係者コメント
練習走行で(チームのムードが)暗く、予選が明るくて、決勝前は暗かったけど、決勝の第1スティントは明るくて、後半が暗いと、非常に浮き沈みの激しいレースでした。決勝で心配されたタイヤのピックアップですが、前半の雨で取れたんですが、後半も苦しめられたけど雨が降ってきたらペースが戻ってきて。しかし、すでに時遅しという状況でした。
谷口選手はほとんど曲がらないクルマで戦っていたと思うので、彼のストレスは計り知れないでしょうね。ドライバーふたりの強さが出たレースだったと言えるでしょう。
最終戦に向けての準備はできたと思うので、今季初勝利を狙っていきます。
ドライバーに申し訳ないなあという気持ちですね。途中、コンディションが変わるとクルマのバランスが良くなったり悪くなったりで、順位をどんどん上げて盛り上がった部分もあるけど、レース全体としてはトラブルが解消されないままだったのが厳しかったかなと。
今回のことでチームの経験値も上がったと思うし、データも取れたと思うので、前には進んでいます。運が悪かったんじゃなくて、原因がハッキリしているのであとはそれを解消していくだけです。
今回のレースでは2位、あわよくば1位にも手が届くということがわかりましたしね。
片岡選手がいい順位(2位)でバトンを渡してくれて、僕も3位まで上がってさらに前を目指したんですが、タイヤのピックアップが出てしまってタイムがガタガタに落ちてしまいました。過去にないくらいペースが落ちてしまったんです。
アンダーステアという言葉では飽き足らないくらい曲がらなくて、順位をキープするどころかコース上に留まることで精一杯というひどい状況に陥ってしまい、結果8位まで順位を落としてしまいました。
応援してくださった方々には本当に申し訳なく思います。もうこんな思いはしたくありませんね。
5番手からのスタートで順調に順位を上げていったのですが、途中でタイヤのピックアップ問題が発生してしまい、どうにもできずにズルズルと後退するハメになりました。しかし、何かのきっかけでピックアップが解消し始めたので、上位集団に追いつくことができ、そのまま2位まで上げてピットインできました。
明るい兆しが見えただけに、後半のピックアップ問題は非常に残念でしたね。トラブルに近い問題だと思うので、しっかりと原因を解消できると思います。この悔しさを最終戦にぶつけようと思っているので、みなさん応援よろしくお願いします。