2015 AUTOBACS SUPER GT Round 8 MOTEGI GT 250km RACE
11月14日 予選3位
11月15日 決勝2位
最終戦ツインリンクもてぎは念願の表彰台を獲得!
■11月14日(土)雨の予選は今季最高位の3位で通過!
4月から始まったSUPER GT 2015シーズンもついにツインリンクもてぎで終幕となる。今シーズンは苦戦続きだったGOODSMILE RACING & TeamUKYO。最後はなんとしても良い結果に繋げて終わりたい。
これまで2回テストをしているツインリンクもてぎ。ドライもレインもテストをしたことが功を奏して、雨が降っていた14日予選朝のフリー走行は上位陣に食い込むタイムを連発。谷口選手も「1’56.825」を記録して、最終的に4位でフリー走行の時間を終えた。
サーキットサファリやピットウォークなどのイベントを挟んで予選1回目がスタート。雨が降り続く中、谷口選手がコースイン。上位1~3位には届かなかったものの、アタックラップで「1’58.193」を記録し、6位で危なげなく通過した。
予選2回目は、このもてぎでグレーテッドドライバー(参戦100戦のドライバー)として表彰された片岡選手が担当。雨脚が強くなりつつあるため、コースインしてはやめのアタック。「2‘02.752」を叩き出し2位につけた。この作戦がハマり、雨が強くなった終盤にはほかのライバルはタイムを出すことが難しい状態に。残り数分というタイミングで#31 TOYOTA PRIUS apr GTが「2’00.602」を出してトップを奪う。3位に落ちたものの、そのまま予選2回目は終了。今季予選最高位である、3位を獲得した。決勝は3番グリッドからのスタートとなる。
■11月15日(日) 3番手スタートで期待が高まる!
久々に上位からのスタートとなる決勝レース。最後に勝って終わりたいという思いを現実のものとするには絶好の位置だ。
15日決勝の朝。雨は降っているものの雨脚は弱く、全体的にタイムは予選日よりも速い。片岡選手が出した「1’57.587」は途中までトップタイムだったが、終盤に#31が「1’57.363」を出したため逆転された。しかし、その差はコンマ数秒なので決勝に期待がかかる。
決勝前には雨は上がり、若干晴れ間も見える天気になったものの、路面はウェットのままなのでレインタイヤを装着してグリッドに並ぶ。グリッドウォークではほとんどのチームがスリックかレインかを決めあぐねており、どちらのタイヤも用意していた。そんな中、突如通り雨がコースを襲う。すぐに止んだが雨量はかなりのもので、チームはレース前半は路面が乾かないだろうと判断、レインタイヤを装着させた。
スタートを担当するのは今回も片岡選手。タイヤが暖まりきってない1周目で、目の前にいた#11 GAINER TANAX SLSをパスし、はやくも2位に浮上。トップを走る#31は1周につき2位以下に1秒以上の差をつけて、序盤から独走態勢を築く。
一度は抜かれた#11だが、徐々にペースを上げ、ミクSLSに接近してくる。ついには10周目に捉えられてしまい、オーバーテイクを許してしまう。そして差を広げられていくうえ、今季ラストランとなる#55 ARTA CR-Z GTも予選13位からのスタートにもかかわらず、驚異的なスピードで追い上げてきていた。
なんとか3位を守っていたものの、ついに18周目に#55に追いつかれ、激しい攻防の末、パスされてしまった。4位にダウンしたものの、#55にはコンマ数秒の差で食らいついていく。
■SC導入の混乱を制して2位表彰台!
チームとしては路面が乾いてからのピットインを狙っていたが、予想より路面の乾きが遅い。しかし、20周目を過ぎるとラインだけドライに変化しつつあった。そこで22周目にピットインし、タイヤはスリックへ、ドライバーは谷口選手へと交代し、再びコースに戻った。
アウトラップでの順位は5位と、ピットでのロスは最小限に抑えた。ここから反撃開始というときに、GT300とGT500のマシンが絡み、大クラッシュ。24周目にセーフティーカーが導入された。このとき3位。ミクSLSより上位のチームでピットに入っていなかったのは#31だけなので、実質2位を走行していた。目の前にいるのは最大のライバルである#11。29周目にセーフティーカーが解除され、レース再開。#11との直接対決となった。
タイヤが当たり、ファステストを記録する走りで#11を猛追する谷口選手。32周目にはついにオーバーテイクに成功し、トップに立った。ベストタイム連発で後ろとの差をどんどん広げていく谷口選手だったが、先ほどのセーフティーカーで順位を大きく落としたと思われていた#31が#11を抜いて2位にまで上がってきた。
ハイブリッドパワーで最高速度に勝るSLSを追い詰めてくる#31。谷口選手は#31に並ぶタイムでトップの座を死守するが、ついに39周目にパスされてしまい、2位に陥落する。
そこから3秒以上の差をつけられてしまったが、残り3周くらいから#31のペースが落ちる。ファイナルラップでは真後ろ0.9秒まで迫ったが、残念ながら逆転は叶わず、2位でチェッカーフラッグを受けたのだった。
走れども光が見えない長いトンネルにいた2015シーズン。最後の最後にトンネルを脱出し、2位表彰台に上ることができたのは、今後に続く最高の締めくくりになった。
■関係者コメント
運もあったしチャンスもあって、やれることをすべてやった集大成のようなレースでした。それにしても#31には追いつけませんでしたね。悔しいけど仕方ないです。
ライバルの#11とのガチンコ対決は完封といかないまでも、勝利することができましたし、1年の締めくくりとしてはいいレースでした。
久々の2位だから嬉しいんですが、悔しい気持ちもあって。セーフティーカーが入ったタイミングはこちらに有利になって、#31に対しては不利に見えたので、神様が味方してくれたと思ったけど、結果的に#31はあまりロスはなく4位でコースに戻っていました。それ以前にスピードが全然違いすぎたので、ちょっと勝負にならなかったですね……。
とはいえ、FIA-GT3勢の中では1位だったわけですし、ドライバーもチームもできることを全部やったうえでの結果なので納得しています。
#31が速かったとはいえ、良いタイミングでピットインしたし、良いタイミングでセーフティーカーが入ったし、最終的には抜かれてしまいましたけど、レースとしてはかなり良かったと思います。
GSRに限ったことではないかもしれませんが、応援してくれているファンのみなさんに、強いチームを見せられるのは、モータースポーツの発展において良いことですね。
勝ちを狙ったもてぎですが、速そうなライバルがいっぱいいて、天候も悪くて。プリウスやGT-R勢が速いのはわかってましたが、とりあえず#11には勝ちたいと。そのためのSLSだったので。
予選では片岡選手が頑張って3位を獲ってくれたので、勝ちにいくには悪くないポジションでした。決勝レースではセーフティーカーのタイミングも良くて、トップに立ったことで俄然燃えていたのですが、それ以上に#31が速くて軽くあしらわれてしまいました。こちらも昨年のZ4よりも速いペースで走っていたんですが。
結果的に#11には勝利したので、そこはうれしいけど、2位という結果は悔しいですね……。
2位にはなったものの、1位の#31とは明らかな差がありました。今年はモヤモヤするレースが続いた中で、最後までトラブルなく走りきって今季初の表彰台を獲得できたわけですし、チームもミスなくやってくれたので結果はうれしいんですが、なんかどこかで納得できないレースでした。
応援してくれている個人スポンサーのみなさんに、ようやく表彰台に乗った姿を見せられたので、終わりよければというほどよくはないですけど、前向きな終わり方ができてよかったです。