TKRI with GOODSMILE RACING RACE REPORT 2
2024 富士チャンピオンレース KYOJO CUP 第2戦・第3戦
会期:2024年07月19日~21日
場所:富士スピードウェイ(静岡県)
KYOJO CUP 第2戦(20日):予選26番手 / 決勝21位
KYOJO CUP 第3戦(21日):予選26番手 / 決勝25位
5月に行われた開幕戦から2ヶ月が経過し、その間、岡本悠希選手は富士スピードウェイのスポーツ走行で練習を重ね、レースに備えてきた。
今大会はKYOJO CUPとして初めて全日本フォーミュラ選手権と併催で行われた。通常大会では、予選は日曜日の朝、決勝は昼に行われるワンデイ開催だが、今大会では金曜日に予選、土曜日に第2戦決勝、日曜日に第3戦決勝が行われた。
7月18日(木)
この日、岡本選手は1回30分のスポーツ走行枠を、午前と午後にそれぞれ1回ずつの練習を予定していた。気温が高くエンジン出力が落ちる為に、岡本選手はタイムは伸びないが順調に走行を重ねていった。
今大会はスーパーフォーミュラと併催のため、全ての走行セッションが終了した後にコースウォークの時間が設けられていた。岡本選手も片岡監督とともに参加して、ライン取りや縁石の使い方を確認し、翌日の予選に備えた。
7月19日(金)【KYOJO CUP 第2・3戦 予選】
午前中に3回の練習走行が行われ、前日の練習を通じて上がった課題を再確認しながら、午後の予選に備えた。
午後2時40分、公式予選が始まった。このレースウィークは2レースが開催されるため、ベストラップで第2戦のグリッド、2ndベストラップで第3戦のグリッドが決まるルールとなっていた。
岡本選手はセッション開始とともにピットを離れ、コースへ向かった。今大会にはスポット参戦も含めて30台もの多くのマシンがエントリーしていた。トラブルで予選を出走できなかった1台を除く29台が一斉にコースに出ていた為、コース上でクリアラップを取れるポジションを見つけることが難しく、岡本選手はポジション取りに苦戦しつつ周回を重ねた。
10分が経過したところで自己ベストとなる2分4秒789を記録し、26番手に浮上した。残り時間が4分を切ったところで更に2分4秒552までタイムを詰めたが、ポジションは変わらず、26番手で予選を終了した。
この予選の結果、第2戦と第3戦は共に26番グリッドからスタートすることが決まった。
7月20日(土)【KYOJO CUP 第2戦 決勝】
第2戦の決勝レースのスタート進行は、スーパーフォーミュラ観戦のためにサーキットに訪れていたモータースポーツファンへの紹介も兼ねてピットウォークが行われる中始まった。
午後12時10分、決勝レースに出る29台のマシンがピットを離れグリッドへ向かうと、エキゾーストノートに誘われ、ピットウォールから多くの観客がグリッドを覗き込んでいた。グリッドウォークが始まると、4号車のグリッドには前戦以上のファンが集まり、岡本選手への期待の高さがうかがえた。
午後1時、フォーメーションラップ後、全車グリッドで停車。レッドシグナルが消え、レースがスタートすると、岡本選手は今回も好スタートを切って25番グリッドの144号車を抜き、早速ポジションを1つ上げた。
1コーナーでは、インに飛び込んできた77号車に前に出られたが、コーナー外側で飛び出し失速した779号車と7号車を抜いて24番手に上がった。
続くコカコーラコーナー、スタートで抜いた144号車に抜き返され、25番手に後退。
直後、15番手を走行していた36号車がスピン、真後ろにいた28号車が突っ込み、2台がクラッシュしてコース上に停止、マシン回収のためセーフティカーが導入された。このクラッシュで2台がリタイヤしたため、岡本選手は23番手となった。
セーフティカーは4周目にピットへ戻り、レースは5周目に再開された。しかしその直後、岡本選手は1コーナーでマシン操作を誤り、スピン。これにより7号車、76号車、73号車に抜かれて26番手まで下がってしまった。
その後、779号車がピットに入り25番手に浮上するが、翌周にはコースに戻った同じ779号車に抜かれ直して26番手に戻る。
6周目、ストレートで77号車のスリップストリームを利用して1コーナー手前でオーバーテイク、25番手に上がった。
8周目、13番手を走行していた34号車が1コーナーでスピンし、グラベルにはまって2回目のセーフティーカーが導入される。更にそのセーフティーカー導入中、559号車がマシントラブルでピットへ戻ったため、岡本選手セーフティーカー番手となった。
レースは停止車両回収に時間がかかり、セーフティーカー導入のままチェッカーが出され岡本選手は23位でゴールした。
レース後、76号車と73号車にそれぞれ10秒のペナルティが課されたことで岡本選手の順位が2つ上がり、最終的に21位となった。
【岡本選手コメント】
自信のあったスタートはうまくいき、ポジションアップすることが出来ました。
その後はクラッシュ車両がいたためにセーフティーカーが導入され、解除後の再スタート時に気合い入れすぎて1コーナーでスピンをしてしまいました。しかし攻めた結果なので悔いはないです。
その後は前方の数台がバトルしていたおかげで追いつくことができ、初オーバーテイクをすることが出来ました。
前回のように離されていって終わるのかなあと思っていたので、たくさんバトルができて楽しかったです。
7月21日(日)【KYOJO CUP 第3戦 決勝】
スーパーフォーミュラの決勝日ということもあり、前日以上に多くのモータースポーツファンが富士スピードウェイを訪れていた。この日はKYOJO CUPのドライバーたちもピットウォークに参加し、岡本選手も大勢のファンからサインを求められていた。
午後12時35分、全車がグリッドに着いてグリッドウォークがスタートすると、前日以上のファンが4号車岡本選手のいる26番グリッドを囲んだ。
午後1時、フォーメーションラップ開始、各車タイヤとブレーキのウォームアップを行い、スターティンググリッドに着く。レーススタートまでのカウントダウンを意味するレッドシグナルが順番に5つ点灯して一斉に消灯すると、決勝レースが始まった。
岡本選手のスタートはこの日も良好、エンジンストールした118号車を抜き、勢いそのまま1コーナーまでに144号車、7号車、730号車の3台を抜いて、22番手でコーナーを抜ける。さらに、ヘアピンコーナーで前を走っていた703号車がスピンしたのをかわし、21番手に浮上した。
2周目の1コーナーでは、外側から730号車が並んでコーナーへ侵入し、立ち上がりで前に出られてしまい22番手に後退した。更にヘアピンコーナーでは7号車にインを突かれて、岡本選手はさらにポジションを下げてしまった。
4周目、背後についてきていた144号車に1コーナーで抜かれ24番手となったが、ダンロップコーナーで730号車を再び抜き、23番手に戻す。
5周目の1コーナー、730号車が再び並んできたが抑えることに成功。しかし100Rで118号車に抜かれ、24番手に後退。ダンロップコーナーでは、前周で抜いた730号車に抜き返されてしまうが、離されることなくオーバーテイクのチャンスを伺い続けた。
8周目、ストレートで730号車のスリップを使い一瞬オーバーテイクに成功するが、直後の1コーナーのブレーキング勝負で前に出られてしまい、25番手のまま9周目。
10周目、最終コーナーで703号車に抜かれるが、703号車が11周目のヘアピンコーナーでスピンしたのをかわし、25番手をキープした。
目の前の730号車を最後まで懸命に追いかけ、サイドバイサイドのバトルも繰り広げたが、抜くことはできず、25位でチェッカーを受けた。
【岡本選手コメント】
スタートがうまく決まり、一時21番手まで浮上することが出来ました。
その後はたくさんバトルをし、常に抜きつ抜かれつで最終的には25位という結果でした。
何度かスピンしそうにもなりましたが今日はうまく修正することができ、スピンもせず、接触もなくクリーンでとってもいいバトルができたと思います。
さらに初めてモニターにも映って嬉しかったです。
今週は、スーパーフォーミュラとの併催で約5万人のレースファンの皆様の前でレースができて楽しかったです。