TKRI with GOODSMILE RACING RACE REPORT 3
2024 富士チャンピオンレース FCR-VITA第2戦/KYOJO CUP 第4戦
会期:2024年08月17日~18日
場所:富士スピードウェイ(静岡県)
FCR-VITA(17日):予選48番手 / 決勝43位
KYOJO CUP(18日):予選31番手 / 決勝25位
第4戦はお盆休みの最後の週末、真夏の富士スピードウェイで開催された。
TKRI with GOODSMILE RACINGの岡本悠希選手は、5月の開幕戦、7月の第2・3戦と、レースウィークを重ねるごとに少しずつではあるが成長を見せてきた。今大会でもさらなる成長を見せるべく、前戦から1ヶ月という短いインターバルの中に2回の練習を詰め込んでレースウィークに臨んだ。
8月16日(金)
台風7号の接近により富士スピードウェイが臨時休業になる可能性が心配されていた週末だったが、幸い台風は逸れ、雨は降っているものの通常通り富士スピードウェイはオープンした。
午前8時40分、強めの雨の中スポーツ走行枠が始まり、4号車岡本選手はヘビーウェットコンディションのコースにマシンを進めた。そのアウトラップ、岡本選手はヘビーウェットでの走行経験がなかったため相当慎重に走行していたにも関わらず、まず1コーナーでスピン、続いて100Rでもスピンすると、最後に300Rでスピンしてウォールにマシンをヒットさせてしまった。それでも自走可能な状態ではあったので、そのままピットイン。メカニックによる確認の結果、外装の破損程度で足回りなどには深刻なダメージが無かったので、次のセッションは予定通りに走行することが出来た。
続くセッションで岡本選手は慎重過ぎるぐらい慎重に走行したのだが、1コーナーでスピンしたところに後ろから来た車に接触され、さらにマシンにダメージを負う事になってしまった。チェッカーまで走ることはできたものの、終始慎重に徹したセッションだった為、タイムを伸ばすことはできなかった。
この日はもう1セッションの走行枠で練習することが予定されていたが、雨量が増えた為、チームはスピンやクラッシュのリスクが高いと判断して走行をキャンセルした。
8月17日(土)【FCR-VITA 第2戦】
台風一過、富士山が美しく見える晴天の中、FCR-VITA第2戦がスタートした。
午前8時、予選が始まると岡本選手はすぐにコースへ向かった。今大会は実に50台ものVITAがエントリーしており、自分のペースでアタックすることが難しいことが予想された。その上、岡本選手は前日のウェットコンディションでの走行でバランスを崩したか、ドライコンディション時のライン取りがうまくできなくなってしまい、最初のアタックラップの1コーナーでいきなりスピンしてしまった。そこに、真後ろにいた車両も同じくスピンして4号車のフロント部分に接触したため、自走不能になるほど深刻なダメージを受けてしまう。コースオフィシャルによりマシンが回収されてピットに戻されると、メカニックはすぐに破損個所の確認を行い、フロントカウル、ラジエーターなどフロント周辺の破損パーツ速やかに交換された。
FCR-VITAの決勝は午前11時スタートで、決勝のグリッドへのコースインは午前10時45分から。メカニックの迅速な作業で、修理はその時間に間に合い、岡本選手は決勝のグリッドへ向かうことができた。
決勝は、予選を出走しなかった1台を除いた49台で争われた。4号車岡本選手は予選のクラッシュ前に2分05秒515で48番手タイムを出していたが、ピットロードでの速度違反のペナルティにより、グリッドが降格され、最後尾の49番グリッドからスタートとなった。
午前11時、決勝レースがスタートする。スタンディングスタートでうまく発進できた岡本選手は、スタートで少し出遅れた77号車を抜き、105号車、730号車とも並ぶことができたが、前にでることまでは出来なかった。
2周目、100Rの入り口でスピンした225号車を回避し、47番手に浮上。ダンロップコーナーでスピンした160号車を避けて46番手となった。その後、37号車がマシントラブルでピットインしたため、45番手に上がった。
3周目、ヘアピンで19号車がスピンし44番手、4周目、最終コーナーでスピンした105号車を抜いて43番手となった。
しかし5周目、ダンロップコーナーで19号車に抜き返され、6周目のストレートで105号車にも抜かれてしまい45番手に後退。
7周目、54号車がマシントラブルでピットインし岡本選手は44番手に浮上。
さらに前の車両が見える位置にはいたが、バトルを仕掛けるまでには詰められず10周を走り切って44位でチェッカーを受けた。
【岡本選手コメント】
出走台数が49台と多かったので、予選ではクリアラップを取るのが難しいだろうと思っていました。なんとか自分のペースでタイムを出せるタイミングを見つけようとしましたが、予想通りタイムが出せるタイミングは作れなかった上に、アタックを狙ったラップの1コーナーでスピンをしてしまいました。真後ろにいた車両も釣られて同じようにスピンし、私のマシンと接触してフロントを壊しまいました。
そこから決勝までの短い時間で車両を修理していただき、チームにとても感謝しています。決勝では焦らず落ち着いて、いつも通りのペースを取り戻すことを目標に臨みました。
スタートはうまくいきましたが、1コーナーに多くのマシンが殺到したので、マシンを壊してはいけないという思いから引いてしまい、ポジションを下げてしまいました。その後はなかなか前の車両を抜くことができず、ペースを上げることもできませんでした。
予選と決勝で路面がかなり変化していたため、スピンした車両も多かった決勝レースでしたが、自分はスピンせずに、接触やスピンしたライバル車両にも当たることなくチェッカーを受けられたのは、今日の良かった点です。
明日のKYOJO CUP第4戦では、焦らず自分のタイムを出し、スタートで順位を上げ、その後はその順位を落とさないことを目標に頑張ります。
8月18日(日)【KYOJO CUP 第4戦】
午前8時、KYOJO CUP第4戦の予選が始まった。
VITA-01はスリップストリームの効果が大きく、タイムアップを狙うにはアタックのタイミングでライバルの後ろにつくことが重要だ。しかし、レース経験の浅い岡本選手は周囲にマシンがいると距離を意識してしまい、ラップタイムが下がる傾向があった。そのため、この予選では、周りに影響されず集中してタイムを出すことを念頭に臨んだ。
今大会は年間エントリーの28台に、スポット参戦の3台を加えた31台がエントリーしていたが、前日のFCR-VITAよりは20台近く少ないため、前日よりは苦労せずにアタックに相応しい場所を探し出すことができた。
セッション開始から10分ほど経過したところで、まずは自己ベストに近い2分5秒400を記録した。続くラップで2分5秒066とタイムを削るが、順位は最後尾となる31番手だった。その後もセクターベストはたびたび出せるものの、1周をまとめることができず、2分5秒066からタイムを縮めることなく、31番手で予選を終えた。
午前10時55分からの決勝レースは、予選でペナルティが出たマシンがいたため、30番グリッドからスタートとなった。
1周のフォーメーションラップを経て、レースが始まった。毎戦スタートは調子のいい岡本選手は今回も良い反応を見せ、1コーナーで73号車の前に出た。
2周目、1コーナーで並んできた225号車に前に出られてしまい30番手、ヘアピンコーナーで73号車にも先を行かれ31番手まで下がってしまった。
3周目の1コーナーでは73号車に並び、コカコーラコーナーまでサイドバイサイドのバトルをするが抜くことはできなかった。
4周目、225号車が1コーナーでスピンしたところを回避し30番手となり、GR Supraコーナーで703号車を抜き29番手に上がった。さらにトラブルが発生したのか107号車がピットロードに向かった為に28番手に浮上した。
6周目に13号車がマシントラブルでピットへと戻って27番手。
8周目に77号車が100Rの入り口でスピンしたところを抜き26番手。ここまでオーバーテイクはほとんどしていないながらポジションは少しずつ上がっていった。しかし、序盤から前を走る73号車とは、2秒前後のギャップを詰めることができずにいた。
ファイナルラップ、ダンロップコーナーを抜けたところでスピンした144号車の前に出て25位、そのまま12周を走り切ってチェッカーを受けた。
【岡本選手コメント】
予選では、アタックラップで1周もまとめることができず、自己ベストタイムを出すことができませんでした。
決勝では、スタートこそ良かったですが、その後はあまりペースを上げることができませんでした。序盤は近いところにいた一台となんとかバトルをすることがでましたが、スピン車両を避けた際にギャップが開き、そのまま離れてしまい、最後まで追いつけませんでした。
前を抜いて終わりたかったので悔しいですが、まずは圧倒的に遅いペースを戻し、バトルで勝ちきれるように練習して次戦に挑みたいと思います。このレースウィークはミスやトラブルが続き、なかなか自分の走りができていなかったです。