TKRI with GOODSMILE RACING RACE REPORT 4
2024 富士チャンピオンレース MEC120(FCR-VITA第3戦)/KYOJO CUP 第5戦
会期:2024年10月5日~6日
場所:富士スピードウェイ(静岡県)
MEC120(FCR-VITA第3戦)(5日):予選48番手 / 決勝43位
KYOJO CUP第5戦(6日):予選31番手 / 決勝25位
KYOJO CUP第5戦は10月最初の週末に開催された。
これまでのレースウィークでは、VITA-01を使用して土曜日に10周で争われるFCR-VITAというスプリントレース、日曜日に12周のKYOJO CUPが行われていたが、このレースウィークはFCR-VITAの代わりにMEC120という耐久レースが行われた。
MEC120はプロ/アマもしくはアマ/アマの2名のドライバーでチームを作り、2回以上のドライバー交替が義務付けられた120分間の耐久レースだ。
4号車は片岡監督が岡本選手のペアドライバーとなり、プロ/アマでエントリーした。この4号車の他にも、GOODSMILE RACINGではおなじみの小林可夢偉選手や、SUPER GTドライバーの松田次生選手や平中克之選手など、トップドライバー達がペアドライバーとして参加しており、豪華な顔ぶれのレースとなっていた。
10月4日(金)
午前8時30分、スポーツ走行が始まった。
雨が降っており路面はウェットコンディションの中、岡本選手はセッション開始とともにコースへ向かい、前戦からの課題となっている濡れた路面での走行練習を進めた。コース上の水量は多く、コースアウトやスピンする車両が続出していた。岡本選手は安全最優先で走行していた為、タイムは全く上がらなかったが、着実に周回を重ねてウェットコンディションでの走行経験を積んだ。
昼過ぎに雨が止んで日が差し始めると、路面も徐々に乾き始めた。午後1時50分から行われたセッションではようやくドライコンディションでの走行練習を行うことができた。
岡本選手はここでウェット路面との走り方の違いを確認しながら次第にタイムを上げ、セッション開始から15分経過したところで2分05秒50を記録。そこからは2分5秒台で周回を重ね、最後の周で2分4秒792を記録してこの日の練習走行を終えた。
10月5日(土)【MEC120(FCR-VITA第3戦)】
午前8時15分、富士スピードウェイの上空には雨雲が立ち込め、前日は乾いていた路面が再び濡れていた。
MEC120の予選は15分間、35台のVITA-01がエントリーし、そのうち4号車と同様のプロ/アマのペアは13台参加していた。4号車の予選は岡本選手が担当した。
岡本選手はセッション開始とともにコースに向かい、タイムを出しに行くが、まだ慣れないウェット路面でなかなか1周をまとめきることができない。それでも徐々にタイムを詰め、セッション残り5分となった時点では2分21秒452で34番手。その後、チェッカーラップで2分20秒038と自己ベスト1秒近く縮めて33番手で予選を終えた。
午前10時30分、決勝レーススタート。
フォーメーションラップからローリングスタートでレースが始まる予定だったが、雨の影響でセーフティーカースタートとなった。スタートのドライバーはレギュレーションによりAドライバーの岡本選手が担当した。
SCのランプが消えスタートが近づくと隊列の速度が一気に上がる。スタンディングスタートは得意の岡本選手だが、ローリングスタートは経験不足から上手く反応出来ず、前車から離されてのスタートになってしまった。
このレースは2回のドライバー交代が義務付けられているため、20分を経過したころからピットに入るマシンが現れ始めた。4号車は40分ずつ均等に分けて走る作戦を予定していたが、岡本選手へ最初のピットインの指示が出された直後、コース上の落下物回収のためにセーフティーカーが導入された。レギュレーションによりセーフティーカー走行中は給油作業ができないため、やむを得ずピットインは延期。
落下物の対応が済み、セーフティーカーがピットに戻ったところで改めて岡本選手を呼び込んだ。給油作業を済ませ片岡選手が搭乗すると、4号車は31番手でコースに戻った。
ウェットコンディションの中で片岡選手とアマチュアドライバー達との差は大きく、片岡選手の操る4号車は時に10秒以上速いペースで楽々と前車をオーバーテイクしていく。
午後12時10分、片岡選手は予定通り40分間走行するとピットに戻った。給油作業を行い、再び岡本選手へ交代すると、岡本選手は順位を維持したまま無事にチェッカーまで走り切った。
全体30位、プロ/アマクラス13位という結果でレースを終えた。
【岡本選手コメント】
初めてのウェットコンディションでのレースでした。雨で危ないという判断によりSCスタートでしたが、スタートで離されてしまいました。ウェットコンディションで少し慎重に走り過ぎてしまい、なかなかタイムを出すことが難しかったです。今回は片岡監督にも乗っていただいたので、自分の走行データと見比べてしっかり勉強したいと思います。
10月6日(日) 【KYOJO CUP 第5戦】
日曜日の朝は、雨は上がったものの路面は依然として濡れていた。
午前8時20分、30分間の予選が始まった。岡本選手はセッション開始とともにコースに向かい、アタックのポジションを探しながら周回を重ねる。
今大会のエントリーは31台。未出走の1台を除く30台が一斉に走ることで路面は少しずつ乾き、各車のタイムは徐々に上がっていった。
岡本選手は10分を過ぎたところでまず2分22秒135を記録し24番手。その後残り2分のタイミングで2分19秒084を出すが、ライバル車両のタイムも上がっていた為、順位は下げて26番手に。
そして、チェッカーラップでは2分18秒253とさらにタイムを縮めたが、順位は変わらず、26番手で予選を終えた。
午後12時10分、路面はまだ乾き切っておらず、濡れた場所が多く残るハーフウェットコンディションの中で各車がスターティンググリッドに着く。
午後12時40分、1周のフォーメーションラップの後、12周の決勝レースが始まった。
岡本選手は、まずはスタートポジションをキープしたまま1コーナーに侵入するが、イン側に位置取りしていたためスペースがなく、アウト側から7号車、730号車、77号車に一気にポジションを奪われてしまった。
さらにダンロップコーナーのブレーキング勝負で73号車にも前に出られ、30番手に後退してしまった。その後、なんとか前の集団について行こうとするが、ペースを上げられず、前車とのギャップはジリジリと開いていく。
前を行く集団はバトルをしながらも互いにスリップストリームを使っていたため、ペースが良く、単独走行の4号車はストレートで大きな差を作られていた。
さらに、グリッドに向かうときにはまだ濡れていた場所も、レースがスタートした頃にはすでに乾き、ほぼドライコンディションとなっていたのだが、岡本選手はハーフウェットの感覚からドライコンディションへの切り替えがうまく行かず、ペースを上げられていなかった。
それでも少しずつブレーキポイントを調整してペースを上げて行ったが、7周目のGR Supraコーナーで縁石を踏んだ際に痛恨のスピンをしてしまった。なんとかタイヤウォールへの接触は避けたものの、この時の衝撃でリアの足回りにトラブルが出て真っ直ぐに走れない状態となってしまった。
自走でピットまで戻ってきたものの、メカニックが確認すると足回りのボルトの破損が見つかり、走行7周でリタイヤとなった。
【岡本選手コメント】
前日のMEC120に続きウェットコンディションでした。ウェットコンディションでの走行に慣熟できず自分で納得のいく結果は出せなかったのですが、実際、車載動画やロガーで見ても限界まで攻めることができていませんでした。
決勝では雨が止み、太陽が出ていてコースインの際はハーフウェットでしたが、レースが始まる時にはドライになっていました。しかし、私自身にウェットの感覚が残っていて、今までのドライの自分の走りに切り替えることが出来ず、全然タイムが出せませんでした。
その後、7周目に縁石に乗り上げて足回りのボルトを破損して、リタイアとなってしまいました。
最後まで走りきれず申し訳ありません。次戦は今シーズンの最終戦になるので、走り切るのはもちろんのこと、しっかりと準備をして今シーズンで1番良い結果を残せるように頑張ります。