2017 AUTOBACS SUPER GT Round7 Chang SUPER GT RACE
10月7日 予選4位
10月8日 決勝2位
スコールで混戦となったタイは2位でランキングトップに!
■10月7日(土) 50kgのハンデを跳ね返し予選4位!
SUPER GT唯一の海外戦である、タイ。バンコクから車で6時間ほど移動した街、ブリーラムにあるチャーン国際サーキットで10月7~8日にかけて開催された。
予選日(土曜)は朝から土砂降りのスコールに見舞われ、練習走行では最初はウェット、途中からドライとコンディションが目まぐるしく変化していく。路面が乾き始めたのを狙ってスリックタイヤで走ると、谷口選手が「1‘33.054」を記録して、2番手タイムで練習走行は終了した。
予選1回目は片岡選手が担当。スコールで再び路面が濡れたのでウェットタイヤでスタート。2周目に「1‘42.521」を記録し、5周目に「1’40.825」と更新するもライバル勢も速さを見せ、徐々に順位が下がったものの10番手で踏みとどまった。
予選2回目は谷口選手がアタック。雨が降り路面は濡れていたが晴れ間が覗いていたので、すぐ乾くだろうとスリックで勝負に出たものの失敗。すぐにウェットタイヤにチェンジして、再アタックに飛び出す。ウェットに履き替えてからは「1‘39.641」を出し、上位につけるもまわりも記録を更新し始めてじりじりと5番手まで後退した。時間的にこれまでかと思われたが、最後のアタックで「1’39.531」を叩き出し4番手、セカンドローに滑り込んだ。
ウェイトハンデを50kg積んでなお、4番手から決勝を迎えられるのは、チームにとって大きなアドバンテージとなる。
■10月8日(日) タイヤギャンブルに勝ち、2014年以来の表彰台!
決勝日も朝から雨が降ったり止んだりの南国ならではの気候。昼過ぎにはすっかり晴れて路面も完全に乾いたのだが、レース直前のグリッドウォーク中に激しいスコールがサーキットを襲う。レース前には止んだものの、その雨量は1コーナーに川ができるほどで、路面がいつ乾くのか予想が難しい状況になってしまった。
そんな中、ミクAMGはライバルチームたちと同じくギリギリでウェットタイヤに変更した。この波乱のスタートを担当するのは片岡選手。レースはセーフティーカーランで幕が開けた。セーフティーカーは3周目に外れ、ここから本格的にスタート。この周でさっそくタイヤチョイスの明暗がわかれ、スリックを選んだチームはまったくついていけずに、後方に沈んでいった。片岡選手はこの周に前を走る55号車(ARTA BMW M6 GT3)をパスし、すぐに3位に上昇。それからは2位を走る51号車(JMS P.MU LMcorsa RC F GT3)を追い詰める。51号車とはテールトゥーノーズのバトルになったがタイヤが厳しくなってきたようで、10周目にオーバーテイクすると2番手に上がった。
レースは10周が過ぎたあたりから路面が急速に乾き始める。ウェットタイヤを履いたマシンは軒並みペースダウンを余儀なくされ、それはミクAMGも例外ではなかった。しかし、レース後半の燃料の問題からピットインは20周まで引っ張り、ドライバーは谷口選手に、タイヤはスリックへとチェンジして再びコースイン。このとき、外したウェットタイヤは溝がほぼない状態であった。
アウトラップでは14位まで落ちたものの、25周目に10位、30周目に8位と徐々に順位を上げていく。33周目には21号車(Hitotsuyama Audi R8 LMS)を抜いて6位に、全車ピットインが終わった42周目には2位を走っていた。10秒差で前を走る51号車のペースは速く、最後は5秒差まで縮めたものの追いつくことができず、2位でチェッカーを受けた。
これによりシリーズランキングは65ポイントでトップに返り咲いた。さらに2位以下とは9ポイントの差を付けて最終戦に臨むことになる。チャンピオンシップ的には有利だが、51号車の優勝回数は2回なので、同点だとチャンピオンの権利を失ってしまう(ミクAMGは優勝回数1回)ため、最後まで気が抜けない。自力でのチャンピオンは2位以上でゴールすること。もしくはチャンピオンの権利を残している51号車、65号車、55号車の前でゴールすることだ。
2014年以来のチャンピオンを獲得するため、チームは一丸となって最終戦もてぎに挑む。
■関係者コメント
雨だと厳しいという予想だったので、スタート前のスコールはどうなるのかと思いましたが、なんとかドライバーが頑張ってくれてポジションを上げてくれました。ウェットタイヤが最後はスリックタイヤになってましたから。片岡選手はよく耐えてくれました。後半も谷口選手が数台パスしてくれて、最後は追い詰める直前までいきましたね。優勝していればチャンピオンシップもラクだったんでしょうけど、それでも有利な状態で最終戦に臨めるのは準備にも気合いが入るし、なにより気分がいいですね!
まずは波乱のタイが無事に終わってよかったです。天気も味方してくれてなかったし、流れが良かったわけでもないけど、ドライバーがとにかく頑張ってくれて、谷口選手のウェットタイヤでの予選4位もスゴかったし、難しいスタートになった決勝でも片岡選手がポジションを上げてくれて。ピットインのタイミング次第では51号車の前に行けたかもしれないけど、こちらも燃費の問題とかあったしね。ただ、GT500や周回遅れのクルマと絡んでしまって大幅にタイムを落としてしまったのはもったいなかった。それでも9ポイントのマージンを持ってランキングトップに立ったのは大きいですね。もちろん、油断はできないですけど。
今回はYOKOHAMAさんが用意してくれたタイヤがバッチリ決まって、ウェットもドライもいいタイムで走れました。決勝はあとちょっとで優勝だったから欲が出ちゃうけど、2位でも最高に嬉しいです! ライバルである25号車(VivaC 86 MC)と65号車がノーポイントだったのも大きい……と思ったら51号車が最大のライバルになったり、最後まで読めないシーズンです。まだまだ油断はできないけど、最終戦もてぎに貯金がある状態で行けるのは良かったですね。
レース直前のスコールにはちょっと驚きましたけど、結果としてはYOKOHAMAさんのウェットタイヤも谷口選手のスティントのスリックタイヤも、今回はタイヤのパフォーマンスが今日のコンディションにはマッチしていて、非常に良いレースができました。4位から出発して2位、そしてポイントランキングも1位を取り戻して最終戦に挑めるなんて、最高の週末です。