2018 AUTOBACS SUPER GT Round5 FUJI GT 500mile RACE
8月4日 予選4位
8月5日 決勝2位
800kmの長距離レースは2位で今季初表彰を獲得
■8月4日(土) 予選からマシンもタイヤも好調で4番手通過
前戦タイより、約1ヵ月ぶりとなったSUPER GT 第5戦 富士スピードウェイ。今夏の富士は約800kmの長距離レースで、26年ぶりの「富士500mile」レース復活となった。SUPER GTではレース距離が700km以上の場合ボーナスポイントが付くため、今回のレースはなんとしてでも表彰台に乗りたいところ。
予選日は朝から快晴で気温30度超、路面温度40度超となり、観客もチームもタフな戦いになった。
予選1回目は谷口選手が担当。アウトラップ後すぐに「1’38.906」を記録して暫定トップに躍り出るも、38秒台を記録するライバルが続出して徐々に順位が下がる。その後7周目に「1’38.313」を記録して7番手で無事に通過した。このセッションは38秒台に19台がひしめく大激戦となった。
予選2回目は片岡選手。4周目のアタックで「1’37.891」を記録して一気に上位に食い込む。同じく37秒台を記録した3台に先行されたものの、4位で予選は終了。決勝レースは2列目、4番グリッドからのスタートになる。
■8月5日(日) 500mileの長距離は正攻法で戦い2位!
この日のレースは総距離約800km、177ラップで競われる。GT500がゴールした時点でレース終了となる為、GT300クラスの周回数は少ないが、それでも160周強が見込まれる最長で5時間のタフなレースだ。全チームに4回のピットインが義務付けられており、そのタイミングやピットワーク内容がレース結果に大きく影響する。
天気は前日に続く快晴。予報では気温40度まで上がるとも言われていたが、午前中は太陽が雲に隠れて風もあり、気温の高さの割には過ごしやすい状態だった。
決勝レースは片岡選手のドライブでスタート。スタート直後の1コーナーで21号車(Hitotsuyama Audi R8 LMS)に抜かれるが、ホームストレートに帰ってくる頃には抜き返して4位のまま2周目に突入する。
先行する55号車(ARTA BMW M6 GT3)、25号車(HOPPY 86 MC)、10号車(GAINER TANAX triple a GT-R)の3台はペースが速く徐々に差を広げられてしまう。しかし0号車のペースも悪くなく、後続を引き離して数周後には一人旅状態に。21周目、徐々にペースが落ちていた25号車に追いつく。
25号車をなかなか抜けない状態が続く中、29周目に1回目のピットイン。谷口選手に交代してタイヤ4本を交換する。しかしピット作業のトラブルでタイムロスし、アウトラップでは18位まで落ちてしまった。
トップグループ以上のペースでラップを重ねる谷口選手は44周目には5位までポジションを戻し、52周目に10号車を抜いて4位、54周目に31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)を抜いて3位、 65周目には25号車のピットインにより、2位まで上がった。
66周目に2回目のピットイン。タイヤ4本交換をして、ドライバーは再び片岡選手へ。アウトラップは5位と、まずまずの位置でコースに復帰する。その後ベストタイムを更新しながら上位との差を詰めていく。74周目に4位、82周目に3位、88周目には25号車をパスして再び2位へ。
102周目に3回目のピットイン。タイヤ4本を交換して、ドライバーは2度目の谷口選手へ。後続と1分近い差を付けていたため、2位のままコースに戻る。だが、トップを走る55号車との差は39秒と大きい。スタートからペースは全く衰えず後続をどんどん引き離すが、前を行く55号車との差が詰まらない。結果、再び一人旅状態で2位のまま周回を重ねる。
133周目に4回目のピットイン。ここでもタイヤ4本を交換して、片岡選手を最後のスティントに送り出す。そして2位のままコースに戻り、前との差が40秒、後ろとの差は30秒という状態で、再び単独走行に。
圧倒的な速さを見せた55号車にはとうとう追いつけなかったものの、3位以下を大きく引き離して163周目にチェッカーを受けた。
SUPER GTでは初となる富士500mileレースは、2位で今季初の表彰台に登る結果となった。これによりシリーズランキングは6位に浮上、なんとかシリーズチャンピオンシップの戦列に戻る事ができた。
次戦は9月のスポーツランドSUGO。GSRにとっては、なぜか毎回何かが起きてしまって結果を残せない因縁のサーキットだ。とはいえ車の相性は良い。全力で因縁を払拭し、今年こそ表彰台を狙いにいく。
■チーム関係者コメント
2位は残念ですけど、55号車の速さが驚異的だったし、彼らの得意なサーキットだし、仕方ないかなと。長いレースだったので、みんな何かしらミスがあったり、不利な状況になったりする中で、うちはインパクトレンチが壊れたくらいで済んで良かったと思います。あと、タイヤを4本交換して全力スティントを繰り返すというのは見てて面白いですね。たくさん抜いてくれるし。正攻法も今回のようにハマることがあるとわかったし、作戦のバリエーションが増えました。今年もあと3レース。3つ勝ちにいきます!
今季初表彰台なのでうれしいんですけど、なんか釈然としないというか(笑)。ストレートが長いこのサーキットで最高速度が10km/h以上違うから、55号車にはまったく追いつけませんでした。でもGT500と300通してヨコハマ勢としては唯一表彰台に乗れたので、その点はよかったですね。チャンピオンシップもポイント差が詰まったので、首の皮一枚で繋がったし、残りの3戦もこの調子でいければと思います。まだチャンスはあります!
今回はSUPER GT初の500mileということで、各チームが戦略に悩む中、我々は毎回タイヤを全部変えるという作戦で、ペースも良く走れました。ヨコハマさんのタイヤも良く、摩耗はするけど最後までタイムが落ちずに走れて、ライバルたちをこれでもかというくらい抜けたので、ドライバーとしては非常に楽しいレースでした。2位というのはうれしい半分、残念半分という感じですが。久しぶりにポディウムに乗れたし、ここで18ポイント取れたのは大きいですね。この勢いのまま残り3戦を戦えればと思います。
まずは長いレースを無事に完走できて良かったです。前戦タイから手応えを感じていて、その手応えのまま今回のレースを走れました。55号車は速いだろうと思っていましたが、まさかあんなに速いとは……。我々としては100%を出し切ったレースだったし、これまでとは格段にパフォーマンスが上がったうえでの2位なので仕方ないですね。ただ、このパフォーマンスが今後維持できれば毎戦良いレースになるんじゃないかと。チャンピオンシップもじりじり順位を上げて最終戦に望みを繋げたいですね。